フリーダイヤルについて、どこまでご存知ですか?
顧客対応に頻繁に利用されるこの電話サービスの詳細について、多くの人が完全には理解していないかもしれません。
この記事では、フリーダイヤルの基礎からその利点、導入の要点までを詳しく解説します。読了時には、フリーダイヤルについての知識が深まり、ビジネスでどのように活用できるかが明確になるでしょう。
※フリーダイヤルはNTTコミュニケーションズの登録商標ですが、ここではフリーコールなど他の企業の同様のサービスも扱います。
フリーダイヤルの基礎

フリーダイヤルは、0120や0800で始まる番号を使用し、通話料は発信者ではなく受け手が負担します。
これにより、顧客は無料で企業と連絡を取ることができ、問い合わせや注文がずっとスムーズに行えます。
このサービスは、NTTコミュニケーションズによる「着信課金サービス」の一部であり、KDDIやソフトバンクなど他の通信会社も同様のサービスを提供しています。企業がフリーダイヤルを採用する際には、専用の番号が割り当てられ、その番号への通話料は企業が支払います。
番号のフォーマット
日本でフリーダイヤルを設定する際には、主に「0120」または「0800」で始まる番号が利用されます。
●0120番号(0120-xxx-xxx)
これは、6桁の番号が続く0120で始まる、日本で一般的なフリーダイヤル番号の形式です。
●0800番号(0800-xxx-xxxx)
7桁の番号が続く0800で始まる番号で、0120番号の使用が増えたため追加されたものです。
通話の取り扱い
フリーダイヤル利用時、実際の電話番号(たとえば03番号)が必要とされる場合があります。
●発信者
顧客が「0120」で始まる番号に電話すると、その通話は通信事業者のネットワークに送信されます。
●通信事業者
通話は企業が指定した実際の電話番号(例:03-XXXX-XXXX)へ転送され、通常の市外局番が使用されて企業の本社やカスタマーセンターに接続されます。
●受信者(企業)
通話が転送された後、企業は通話を受け、通話料は企業が負担します。
フリーダイヤルの長所と短所
フリーダイヤルを導入する主な利点は次の三つです。
- 顧客満足度の向上
顧客が無料で電話できるため、簡単に問い合わせや注文が可能になります。 - 企業のイメージアップ
フリーダイヤルを設けることで、顧客への配慮が行き届いているという印象を与えられます。 - 販売機会の増加
問い合わせの増加により、新しい販売機会が生まれる可能性があります。
NTTコミュニケーションズは、ナビダイヤルも提供しており、その問い合わせ番号はフリーダイヤルで設定されています。
これは、フリーダイヤルの方が問い合わせが増えるためだとされています。
ただし、フリーダイヤルの通話料は受信側の企業が全額負担するため、通話が多くなるほど運用コストが増加します。
特に、携帯電話からの通話料が高額なので、そのような通話が多くなると企業にとっては大きな経済的負担になります。
各社の料金体系
以下の表は、各通信事業者の電話料金を示しています(税別)。
提供事業者 | 基本料金 | 通話料金(固定電話) | 通話料金(携帯電話) | 通話料金(公衆電話) |
---|---|---|---|---|
NTTコミュニケーションズ | プラン1:2,200円/番号 プラン2:1,100円/回線 | 8.5円/180秒 | 10円/20秒 | 30円/60秒 |
KDDI(フリーコールDX) | 0120:2,200円 0800:1,650円 | 8.5円/3分 | 10円/14秒 | 30円/1分 |
ソフトバンク(フリーコールスーパー ) | 0円~2,000円 | 8.0円/3分 | 20円/1分 | 90円/3分 |
詳細は各社の公式サイトを参照してください。
フリーダイヤルの追加機能
フリーダイヤルには以下の高度なオプションが付加されています。
●コールトラッキング
通話の発信元や内容を追跡し分析する機能で、マーケティングや営業効率を向上させるのに寄与します。
●IVR(自動音声応答)
顧客が電話すると、自動音声で案内し、適切な部署や担当者への問い合わせを効率的に振り分けるシステムです。
●時間帯別ルーティング
時間帯や曜日に応じて通話を特定の部署や担当者に自動的に振り分ける機能です。
これらの機能を利用することで、企業は顧客対応をより効率的に行えるようになります。
着信課金サービスのロゴ

フリーダイヤルなどの着信課金サービスには、各社独自のサービスロゴが存在します。
ロゴの活用メリット
着信課金サービスを利用することで、通話料を発信者ではなく受信者が支払うため、企業は顧客からの電話料金を無料にできます。
ロゴを使用することで、着信課金サービスであることを視覚的に表現し、顧客満足度の向上や問い合わせ数の増加を促進することができます。
通信事業者別サービスとロゴ情報
各通信事業者が独自のロゴを提供しており、それぞれのサービスに応じたデザインが用いられています。
NTTコミュニケーションズ
サービス名: 「フリーダイヤル」
利用規定: フリーダイヤルロゴ使用マニュアル
KDDI
サービス名:「フリーコールS」「フリーコールDX」
利用規定: フリーコールロゴ利用規定
ソフトバンク
サービス名:「フリーコールスーパー」
利用規定: フリーコールロゴマーク使用規定
各社が独自のデザインを採用しているロゴは、サービスを象徴するビジュアルとして利用され、顧客にサービスの識別を容易にしています。
利用規定に従い、適切なロゴの使用が求められます。
ロゴ使用のガイドライン
ロゴは各通信事業者が提供しており、特定のサービス契約者のみが使用できます。
フリーダイヤル契約番号でフリーコールのロゴを使用することやその逆は認められていません。
また、ロゴの比率の変更なども禁止されています。
そのため、各事業者の規定をよく確認し、適切な方法でロゴを使用する必要があります。
0120(フリーダイヤル)と0570(ナビダイヤル)の比較

フリーダイヤルとナビダイヤルは、共に企業向けの顧客通話番号として使用され、全国統一番号である点が共通していますが、通話料の負担方法には大きな違いがあります。
0120と0570の主な違い
フリーダイヤル(0120や0800): 通話料は企業が負担し、利用者は無料で電話が可能です。
これにより気軽に問い合わせができる反面、いたずら電話の問題も生じることがあります。
ナビダイヤル(0570): 通話料は発信者が支払うシステムで、企業は全国統一番号を利用して効率的に顧客対応を行うことができますが、特に携帯電話からの利用は高額になることがあります。
フリーダイヤルとナビダイヤルの比較
特徴 | フリーダイヤル(着信課金) | ナビダイヤル |
---|---|---|
サービス提供企業 | NTTコミュニケーションズ、KDDI、ソフトバンク | NTTコミュニケーションズ |
料金負担 | 着信者負担 | 発信者負担 |
番号の形式 | 0120または0800から始まる番号 | 0570から始まる番号 |
用途 | 無料のカスタマーサポートや問い合わせ窓口 | 企業のサポート窓口や予約センター |
新規受注や比較的高価なサービスのサポートには、フリーダイヤルがよく利用されます。
まとめ
フリーダイヤル(0120から始まる番号)は、通話料金を着信側が負担するシステムです。
これにより発信者は通話料金を負担せずに済みます。
このシステムは、顧客にとって問い合わせが容易になり、企業には問い合わせの増加やイメージ向上が期待できます。
フリーダイヤルの契約には、NTTコミュニケーションズなどの通信事業者に申し込む必要があります。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。