年長さんになっても「ひらがながうまく読めない」「書くことに興味を持たない」など、学びに向かう様子があまり見られないと、つい心配になってしまいますよね。

「このままで大丈夫なのかな…」と感じるのは、多くの保護者が抱く自然な気持ちです。

ここでは、保育園や幼稚園でたくさんの子どもたちと関わっている保育士さんはどう考えているのかを、そうした不安にやさしく寄り添いながら、年長期のひらがなとの向き合い方についてわかりやすくお伝えします。

ひらがながまだ得意でなくても、年長さんなら大丈夫

文部科学省の調査によると、年長児の約95%はひらがなを読むことができ、さらに約97%は自分の名前をひらがなで書けるようになっているそうです。

とはいえ、小学校では入学してすぐに「ひらがな」を一から学ぶ時間がしっかり設けられています。入学前にすべてを完璧に覚えておく必要はありません。

1年生の授業では、読み方や書き方を基礎から丁寧に学んでいくカリキュラムが組まれているため、今の時点で「まだできない」と焦る必要はないのです。

それよりも、お子さんのペースや興味に合わせて、楽しみながら少しずつ関われるように温かく見守っていくことが、何よりも大切です。

年長さんがひらがなをなかなか好きになれない理由

年長さんの中には、ひらがなにあまり興味を示さなかったり、読む・書くことがまだうまくできなかったりする子もいます。

その背景には、発達のペースや性格、日々の生活環境など、さまざまな要因が関係していることがあります。

ここからは、そうした理由について、保護者の方にもわかりやすく、やさしく解説していきます。

文字への興味がまだ芽生えていないタイプ

年長さんの中には、ひらがなが苦手なのではなく、そもそも文字そのものへの関心がまだ育っていない子もいます。

たとえば、絵本をあまり手に取らない、部屋に貼ってあるひらがなポスターに目を向けない、文字を見てもすぐに別のことに気持ちが移ってしまう…そんな様子が見られることはありませんか?

このタイプのお子さんには、焦って机に向かわせるよりも、遊びや日常生活の中で自然に文字と出会える機会を増やすことがポイントです。

「これって楽しい!」「もっと知ってみたい!」という気持ちが芽生えれば、学びへの意欲も少しずつ広がっていきます。

あまり心配しなくても大丈夫なケース

  • まだ興味が出ていないだけ
    ひらがなに関心が芽生えると、一気に読み書きできるようになる子も少なくありません。きっかけ次第で、ぐんと成長することもあります。
  • 家庭で文字に触れる機会が少なかった
    これまで文字に触れる環境があまりなかった場合、できないのは自然なことです。環境が整えば、無理なく力をつけていけます。
  • 読むことはできるけれど、書くのが苦手
    手や指の細かい動きが発達してくると、少しずつ書けるようになるお子さんも多いです。焦らず、手先を使う遊びなどを通して力を育てていきましょう。

注意が必要かもしれないケース(専門的なサポートを検討)

  • 自分の名前が読めない・覚えられない
    音と文字を結びつける力がうまく育っていない場合、学習障がい(読みの困難)を含めて考える必要があることもあります。
  • 文字を書くときに形や順序が毎回バラバラ
    文字の形を正しく捉える力や、書く順番の理解に苦労している可能性があり、「書字の困難」が背景にあることも考えられます。
  • 言葉や会話の発達が年齢に比べてゆっくり
    文字の学び以前に、言葉の理解や表現そのものに課題があるケースもあります。

――お子さんの様子をじっくり観察しながら、必要に応じて専門家のサポートを受けることも大切です。焦らず、まずは「楽しく文字と関われる時間」を増やす工夫から始めてみましょう。

苦手なお子さんにおすすめの、ひらがな練習のコツ

ひらがなを覚えるときは、

  1. 見て・聞く
  2. まねる
  3. 自分で書く

という3つのステップを、少しずつ取り入れていくとスムーズです。

まずは「見る・聞く」で文字や音に親しみを持ち、そのあとに「まねる」で形を写し取り、最後に「自分で書く」に挑戦していく流れがおすすめです。

無理に進めるのではなく、お子さんのペースに合わせて「できた!」の喜びを感じられるようにすると、練習がぐっと楽しくなります。

ステップ1:見て・聞いて親しむ

  • 毎日の絵本タイムで、文字を指さしながら声に出して読み聞かせる
  • お気に入りの言葉や名前をカードにして、遊びの中で自然に目に触れさせる
  • ひらがな表やカルタを使い、楽しみながら「読める文字」を少しずつ増やす

こうした取り組みは、音と文字を結びつける力を育て、ひらがなを読むための基礎作りにつながります。

ステップ2:なぞって・まねて形を覚える

  • まずは正しい鉛筆の持ち方を確認し、なぞり書きノートからスタート
  • 指で文字の形をなぞり、手の動きや感覚に慣れさせる
  • 運筆練習として、迷路や点つなぎなどの遊びを取り入れる

こうした活動は、文字を書くための手の動き(運筆)や、形の理解を身につける大切なステップになります。

ステップ3:実際に書いてみる

  • まずは自分の名前や好きな食べ物など、身近で親しみやすい言葉から挑戦
  • お絵かきや塗り絵で手先を自由に動かし、書くための動きをスムーズにする
  • 書いた文字はノートや壁に貼り、声をかけてしっかり褒める

こうした工夫で、書くことの楽しさを味わいながら、「できた!」という達成感を育てていきます。

保護者の関わり方

  • 楽しさを優先する:間違いは気にせず、「おもしろいね!」という気持ちを大切にする
  • 小さな成功をしっかり褒める:たとえ1文字でも書けたら、大げさなくらい喜んで自信につなげる
  • 声かけを工夫する:明るく前向きな言葉で励ますと、意欲や集中力がぐんと高まります

焦らず、お子さんのペースに合わせて、遊びの延長のような感覚で楽しく取り組んでみてくださいね。

ひらがなが苦手な年長さんへ――今、親ができること

年長の時点で、ひらがなを読むことや書くことがまだ難しいと、不安になることもありますよね。
でも、多くのお子さんはこれからの時間の中で、少しずつ文字への理解や興味を広げていきます。

この記事でお伝えしたポイントをまとめると、次の通りです。

  • お子さん一人ひとりの発達スピードを尊重して見守る
  • 遊び感覚で、自然に文字とふれ合える工夫を取り入れる
  • 自宅学習では、通信教材など外部のサポートを活用するのも効果的

何より大切なのは、「文字って楽しい!」と感じられる環境をつくること。
この気持ちが育てば、読み書きは自然と身についていきます。

おうちの方と一緒に、笑顔で楽しく取り組む時間こそが、お子さんにとって最高の学びの時間になります。