出目金の繁殖を成功させるためには、オスとメスを正確に識別することが非常に重要です。
オスとメスを選定する際、性別が判明していないと進行に支障が生じます。
オス同士では繁殖は不可能ですから、正確な識別が求められます。
以下の4つのポイントで出目金のオスとメスを区別することができます。
①追星の存在
②胴の厚み
③生殖孔の形状
④排泄物の太さ
これらについて、出目金の性別の識別方法と繁殖技術について詳しく解説します。
出目金のオスメスを識別する4つの手法

ここでは、出目金のオスとメスを識別する手法を詳細にご紹介します。
●出目金のオスメス識別法①追星の有無
●出目金の性別を識別する方法②胴の厚み
●出目金の性別を識別する方法③生殖孔の形状
●出目金の性別判定方法④排泄物の太さ
出目金のオスメス識別法①追星の有無
最も初心者にも分かりやすい識別法は追星の有無を確認することです。
「追星」、または「おいぼし」とも呼ばれます。
繁殖期が近づくと、オスの「胸びれ」や「エラぶた」に白い斑点が現れます。
これらはオスが繁殖の準備をしているサインであり、メスには現れません。
追星が見られるオスはメスを積極的に追いかけるようになります。
この行動は追尾と呼ばれ、オスがメスの腹部を刺激して産卵を促す行動です。
これが出目金のオスメスを識別する主要なポイントとなります。
ただし、オスのみの水槽では、オス同士で追尾行動をすることがありますので、注意が必要です。
出目金の性別を識別する方法②胴の厚み
出目金のオスとメスを区別するもう一つの方法は、胴の厚みです。
上から見た時、オスは通常細身であり、メスはより太く見えます。
メスは体がより充実しており、均整の取れた形状をしています。
この違いは、品評会でも重要視されることがあります。
健康的で頑強な出目金を選ぶ際は、無意識のうちにメスを選んでしまうことも多いので、この点には注意が必要です。
出目金の性別を識別する方法③生殖孔の形状

経験豊富な飼育者が用いる方法として、生殖孔の形状に違いがあります。
出目金の尾びれの直下に位置する生殖孔の形状で性別を判別します。
雄の生殖孔は細長くて小さいことが特徴です。また、横から見ると凹んでいます。
メスのそれはより大きく、円形で突出しています。
初心者には判別が難しいかもしれませんが、確認しやすい時期は春の繁殖期です。この時期はメスの生殖孔がはっきりと目立つようになるため、この時期に確認すると良いでしょう。
出目金の性別判定方法④排泄物の太さ
排泄物の太さは、出目金のオスとメスを識別する際の有効な指標の一つです。
具体的には、オスは細い排泄物をし、メスは比較的太い排泄物をします。
この違いは直感的に理解しやすく、出目金の性別を判断する際の手助けとなります。
繁殖が容易になる!出目金の繁殖手順解説

まず、出目金のオスとメスを識別する方法について解説しました。
次に、出目金の繁殖プロセスについて詳しくご説明します。
●出目金繁殖法①水温変更による季節感の模倣
●出目金繁殖法②適切なオスとメスの選定
●出目金繁殖法③産卵床の設置
出目金繁殖法①水温変更による季節感の模倣
出目金が繁殖行動を開始するためには、水温を調整して季節の変化を感じさせることが重要です。
具体的には、冬の期間に水温を10℃以下に保ち、春には水温を20℃前後に上げます。
この水温の変化が、繁殖のサインとなる追星の出現を促します。
出目金繁殖法②適切なオスとメスの選定
出目金を繁殖させる際には、適切なオスとメスの選定が非常に重要です。
通常、受精率を高めるために1匹のメスと2匹のオスを同じ容器に入れる方法が採用されます。
選ばれたオスとメスは、それぞれの特徴を次世代に引き継ぎます。
出目金繁殖法③産卵床の設置
産卵のあとは、卵と親をすばやく分けることが重要です。
産卵床を水槽内に設置することで、出目金はそこに卵を産み付けます。
産卵床がない場合、卵は水槽の壁や底に付着し、後の清掃が困難になります。
出目金の概要

- 目属科:コイ目 コイ科 フナ属
- 原産地:中国
- 体長:オス 15~25cm / メス 15~25cm
- 平均寿命:約10年
- 水質:中性からやや弱酸性
- 適正水温:15~25℃
出目金の種類と特徴
出目金は、中国原産の金魚で、特徴的な大きな眼球と豊かな尾びれを持ちます。
この金魚は流金の変異形として登場し、日本には明治時代に導入されました。
最初に現れたのは「アカデメキン(赤出目金)」で、その後「クロデメキン(黒出目金)」や「サンショクデメキン(三色出目金)」といった色のバリエーションが増えました。
現在はクロデメキンが一般的ですが、白黒のパンダのような色合いも人気です。
幼魚の時は目の特徴が目立たないものの、生後2~3ヶ月で目が突出し始めます。
出目金の懐きやすさ
出目金は他の金魚と比べて人に懐きやすく、餌の準備時の動作に敏感に反応します。
視力はあまり強くないため、餌を見失うと焦る姿が愛らしいです。
出目金の飼育のしやすさ
出目金は飼育が比較的容易ですが、特徴的な大きな眼球を傷つけないよう注意が必要です。狭い水槽での多頭飼育は避け、水槽の清掃時は特に優しく扱うことが大切です。
視力が弱いため、食べ物を見つけるのが得意ではありませんので、食べ残しがないように餌は少量ずつ与え、様子を見ながら調整することが推奨されます。
結論
出目金の性別を識別する複数の方法について説明しました。
これらの観察ポイントを組み合わせることで、より確実に性別を識別できます。
繁殖プロセスは比較的容易ですが、孵化後の養育には細心の注意が必要です。
出目金は昔から親しまれており、ユーモラスな外見が特徴的です。
縁日の金魚すくいなどでよく見かけるこの金魚は、その愛らしさと飼育のしやすさから初心者にも特におすすめされています。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。